乳児湿疹

 
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乳児湿疹とは

乳児湿疹とは、赤ちゃんによくできる湿疹である新生児ニキビ、あせも、乳児脂漏性湿疹などの総称です。主な原因は乾燥や汗をかきやすいことから生まれる汗管のつまり、母親から胎盤を通して受け継いだ女性ホルモンの影響により、小さい毛穴に皮脂がつまることなどによって湿疹を発症します。乳児湿疹が発症しやすい部位は顔、頭、背中です。

 

乳児湿疹の症状

生後 2週間頃から 1歳にかけて発症することの多い乳児湿疹の主な症状について説明します。
・「新生児ニキビ」
生後 2週間前後にニキビのような赤い小さな湿疹が顔にできます。母親の女性ホルモンが血中に残っていることから発症する湿疹で、 23か月経つと自然に治ります。
・「あせも (汗疹 )
あせもは、汗をかきやすい夏場に起こりやすく、汗管がつまって肌に刺激を与えることで発症します。赤ちゃんは汗をかきやすいため刺激の少ない衣類やタオルなどで汗を定期的に拭き取り、皮膚を清潔に保つことが大切です。
・「乳児脂漏性湿疹」
生後 23か月頃に皮脂が過剰に分泌されることによって起こります。黄みがかったカサブタが髪の生え際などにでき、皮膚がカサカサになったりします。一般的には自然に治癒されるのですが、かゆみがひどくなった場合には悪化して皮膚に黄色っぽい体液がにじんでしまう場合もあります。
 

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の症状はよく似ているため、初期の段階では判断が難しいことがあります。乳児湿疹よりもアトピー性皮膚炎はかゆみが強く、症状が長引くことが特徴です。また、顔や頭、耳だけでなく手首足首などの関節部分から身体全体に症状が広がっていく場合はアトピー性皮膚炎の可能性が高いです。アトピー性皮膚炎は、気管支喘息などの合併症を引き起こす場合がありますのでより慎重なスキンケアを行う必要があります。

 

乳児湿疹の治療

乳児湿疹は自然に治る疾患でもあるため、スキンケアを丁寧に行うことで症状は改善されます。治りにくい場合は、弱めのステロイド外用薬を用いて治療することもあります。当院では、赤ちゃんの症状に合った適切な軟膏指導を行っています。

 

乳児湿疹の日常生活での注意

赤ちゃんの肌の特徴は、大人に比べて皮膚が薄く弱いため刺激に敏感であること、そのため乾燥しやすいことが挙げられます。ご家庭でも日頃から適切なケアを行うことで、乳児湿疹の予防につながります。
・赤ちゃんの肌を清潔に保つためには、汗のかきやすい場所である首のしわの間や、肘の内側などに対してベビーソープなどを十分に泡立て、撫でるように丁寧に洗うようにしましょう。この際、強く洗いすぎないことやザラザラした化繊のタオルを使わないことが大切です。
・十分な保湿をするために、ワセリンやベビーローションを身体全体に優しく塗るようにしましょう。 1日に 2回は塗ることをおすすめします。
・赤ちゃんは汗をかきやすい体質のため、適度な室温に保つことや、服装を通気性のいいものにするなどして汗の過剰な分泌を防ぐようにしましょう。