にきび(尋常性ざ瘡)

 
トップ > 一般皮膚診療 > にきび(尋常性ざ瘡)

ニキビとは

男女問わず、小学校高学年頃から20歳代の約9割の方にできます。顔面や胸、背中の皮脂の出る毛穴に起こる慢性の炎症性疾患です。思春期のホルモンバランスの乱れ、毛穴のつまり、アクネ菌やニキビダニによる炎症が主な原因です。多くの場合10~20歳代の間は繰り返しできますので、この間は継続的な治療が必要です。放置して大きな赤ニキビがつぶれるとでこぼこしたニキビ跡が残り、これを治療するのは非常に難しくなります。ニキビ治療の一番の目的は、このニキビ跡を残さないことと考えてください。
上記の思春期のニキビのはおでこや頬にできることが多く、毛穴に対する治療も比較的よく効きます。一方、成人女性の下あごから首にかけてできるいわゆる大人ニキビは、なかなか治療に反応しないことが多いです。生理周期により悪化と改善を繰り返すことが特徴で、漢方薬などの内服薬を併用してじっくりと治療する必要があります。
たいへん多くの方が悩まれている疾患のため市販のニキビケア用品も数多く出回っておりますが、病院・クリニックでの治療に勝るものはないと考えています。基本的にニキビは皮膚科で保険診療ができますので、ニキビにお悩みの方はぜひご相談ください。

 

ニキビの種類

毛穴が詰まって小さく盛り上がり(白ニキビ)、表面の皮脂が酸化して黒くなります(黒ニキビ)。これらがアクネ菌の働きで赤く大きな炎症性のニキビ(赤ニキビ)になります。
顔を中心から左右に分けたとき、片側に5個以下なら軽症、6から20個くらいなら中等症、21から50個以下は重症、51個以上は最重症と分類されます。実際にはそれらにどの程度炎症を伴っているか(赤ニキビがどれぐらい多いか)によって重症感は変わってきます。
 

ニキビの治療

以前は抗生物質の内服・外用を中心とした、できてしまったニキビの炎症を抑え、悪化させないための治療が行われていました。この治療ですとニキビの発症そのものを抑制することはできないため、結果としてニキビ跡が残ってしまうことが多かったです。現在では、外用薬により毛穴のつまりを防いでニキビができにくくする治療が行われています。これならニキビの数が減るため、重症化や慢性化、ニキビ跡を効率的に防ぐことができます。五泉皮ふ科では初診の方には薬の塗り方から説明し、ご希望によりスキンケア用品のご案内を行うなど治療に力を入れています。にきびにお悩みだった患者さんが見違えるようにきれいなお肌になることに、スタッフ一同大きな喜びを感じています。
 

ニキビの日常生活での注意

お顔はゴシゴシこすらないよう、入浴時と朝、というように1日2回やさしく洗顔をしましょう。皮膚の乾燥により過剰に皮脂が分泌されてニキビの原因となりますので、保湿は重要です。適切な保湿だけでもニキビはできにくくなります。
ニキビを髪の毛で隠そうとして、毛先がお顔に当たっている患者さんがおられます。お気持ちはよくわかりますが、髪の毛による刺激でニキビが悪化しますので、毛先が皮膚に触れないように注意してください。また、枕が頬に当たることによってもニキビが悪化することがあります。枕カバーはこまめに洗濯し、清潔を保ってください。
お化粧はしていただいてもかまいませんが、ノンコメドジェニック(ニキビができにくいことが確認された)製品を使用しましょう。食事は栄養バランスに気を付けて、消化にいいものをとりましょう。便秘により症状が悪化することがあります。治療でよくなっていても少しの生活の乱れ(睡眠不足、食生活の乱れ、ストレス)などですぐにニキビが悪化することも多いです。通院していても治療がうまくいかない方は、まずこれら生活習慣を見直してみてください。