掌蹠膿疱症とは
手のひらや足の裏が赤くなり、小さな水ぶくれや膿を含んだ発疹、ガサガサした皮むけが繰り返しできる疾患です。
原因ははっきりと解明されていません。ただ扁桃腺炎など慢性の感染症が原因となることがあり、その他にも金属アレルギー・喫煙・歯周病・虫歯・ストレス・薬剤などが悪化要因となる場合があります。※掌蹠膿疱症患者の喫煙率は約
80%と非常に高いと言われています。
掌蹠膿疱症の症状
手のひらや足の裏が赤くなり、小さな水ぶくれや膿を含んだ発疹、ガサガサした皮むけが繰り返しでき、かゆみや痛みを伴うこともあります。水虫と間違われることもあり誤解されやすいですが、感染するものではないので他人と接触してもうつることはありません。最初は皮膚が赤くなり、同時に皮膚の下に水疱や膿疱ができて時間の経過とともに茶色に変化し、水疱が破れ、乾いてかさぶたを形成する、というサイクルを繰り返します。さらに手足の甲や、爪にも症状が出ることがあります。掌蹠膿疱症性骨関節炎といって、
10~
35%の患者さんでは首や鎖骨、腰を中心に痛みを伴うことがあります。
掌蹠膿疱症の検査や診断
特別な検査などはなく、繰り返す患部の状態を観察し診断することが多いです。
白癬や汗疱などの疾患と似ていることもあり、皮膚の一部を採取して顕微鏡で検査し確定診断することがあります。
掌蹠膿疱症の治療
掌蹠膿疱症の治療方法は外用薬や内服薬、紫外線照射による治療などがあります。
<外用薬
>
・ステロイドの外用薬
・ビタミン
D3の外用薬
<内服薬
>
・ビタミン剤
・シクロスポリンなどの免疫抑制剤
<紫外線療法
>
症状が強い時や、外用薬の効果があまり見られない場合はナローバンド
UVB、エキシマライトなどの紫外線療法を併用することもあります。
喫煙は悪化要因の一つと考えられますので、まずはタバコの本数を減らし、禁煙を目標としてください。また歯周病や扁桃炎、慢性の副鼻腔炎などの炎症を治療することで掌蹠膿疱症が改善されることがあるので、それらの症状がある場合は歯科や耳鼻咽喉科などで治療を受けることが大切です。
掌蹠膿疱症の日常生活での注意
治療の項で述べたように、掌蹠膿疱症は歯周病や扁桃炎、副鼻腔炎などの感染症が発症や悪化の引き金になることがあります。しっかりと歯磨きをして口腔内の清潔を保ち、手洗い・うがいを心がけて風邪をひかないように気を付けてください。下痢や便秘を繰り返す場合には食生活を見直し、ストレスを溜めないようにしてください。
症状のある手足では、乾燥するとひび割れて痛くなり症状も悪化しますので、外用薬でこまめに保湿してください。