白斑

白斑の正式病名は尋常性白斑と言います。「尋常性」とは「普通の」という意味で、胸や背中にできる癜風や、お子さんの顔にできる単純性粃糠疹による白斑と区別するために用います。尋常性白斑は皮膚の色素が抜けて白くなっていく疾患です。白斑は身体のあらゆる場所に発症しますが、神経が通る部位に起こる分節型、それとは無関係な部位に起こる汎発型、その両方に起こる混合型に分類されます。痛みやかゆみなどはないですが、正常な皮膚との境目の色調の差が非常に目立つため、精神的につらい疾患です。また、個人差はありますが徐々に範囲が大きくなることが多いです。白斑は人口の 0.5%∼ 1％の方に症状が現れる疾患で、特別珍しいわけではありません。

 

白斑の明確な原因はまだ解明されていませんが、現在考えられている原因は以下の通りです。

・皮膚の色素を作る細胞であるメラノサイトに異常をきたすことや、自己抗体が誤ってメラノサイトを攻撃することで発症する。

・白斑が神経の通り道に発症する場合が多いため、精神的なストレスなどによる自律神経の異常がある場合に発症する。

・白斑が家族に発症している場合には、 20%∼ 30%の確率で遺伝する例が報告されている。

・科学熱傷や強い紫外線を浴びることによる日焼けなどの外的な刺激により発症する。

症状によって違いはありますが、白斑の治療ではほとんどのケースでステロイドの塗り薬を、進行中の白斑に対してはときに飲み薬も使用します。また合併症の疑いがある場合には、血液検査を行うこともあります。

当院では、エキシマライトやナローバンド UVBを使った紫外線療法を合わせて行うことでより効果性の高い治療を行うことができます。紫外線を当てることで免疫機能を調整し、白斑の部位に色素を再生するという治療法です。色素が再生し始めた段階では、周囲の正常な皮膚の色よりも濃くなり色むらが目立ちますが、徐々に馴染んでいきます。

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白斑の治療は、すぐに回復するわけではなく時間がかかりますので根気よく治療を続けることが大切です。

白斑の症状による見た目の影響などで精神的につらい思いをされている患者さんやステロイド外用薬などの副作用が気になる方は、医療メイク用品などを使って白斑を目立たなくする方法もあります。

また、白斑の原因として考えられる自律神経の乱れは、日頃の生活習慣やストレスが関わってきます。適度に体を動かす時間を作ることや、身体にいい栄養を取ることを意識した食生活、夜更かしをせず十分な睡眠を取ることなどの規則正しい生活を心がけ、少しでもストレスのない生活を送ることが望ましいです。