白癬(水虫・たむし)

 
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白癬(水虫・たむし)の原因と症状

白癬は白癬菌というカビによって生ずる感染症です。足白癬の有病率は約 20%(日本全体での患者数は 2,500万人程度),爪白癬は 10%( 1,200 万人程度)と言われており.新たに皮膚科を受診する患者の 10%程度を占めるありふれた病気です。
最も頻度が高い足白癬(水虫)は、足ふきマットやスリッパなどの共用による家庭内感染が原因となるものが大部分を占めます。

 

白癬の種類

白癬菌はケラチンという蛋白を栄養源に生きているカビですので、ケラチンが多く存在する場所(皮膚の表面など)であればどこにでも感染します。感染した部位により、下記のような呼ばれ方をすることもあります。
・足白癬…水虫 
・手白癬 
・(手、足)爪白癬 
・股部(こぶ)白癬…インキンタムシ
・体部白癬…ゼニタムシ
・頭部白癬…シラクモ

 

足白癬の症状

・小水疱型…足の裏に小さな水ぶくれができる。強い痒みを伴うことが多い。
・趾間型…足の指の間の皮がむけたり、白くふやけたりする。
 
夏になると上記のような症状が現れ、秋になると自然に治るようなことが繰り返されていれば、足白癬の可能性が高いでしょう。
 
・角質増殖型…足の裏全体が厚く、硬くなり、ヒビ、あかぎれを伴うこともある。
 
このタイプはまれで、季節的変動がありません。
 
<実はかゆみがないこともある>
「足白癬(水虫)はかゆいもの」と思われていますが、実はかゆがる方は 10%ほどで、その場合も夏期のみが多く、 1年中かゆみがない患者さんもおられます。そのため気づかずに感染源となっている人も多いのです。
 

足白癬(水虫)の治療

皮膚の角層に感染した白癬は、抗真菌作用を有する塗り薬をきちんと使用すれば良くなります。(足白癬と紛らわしい皮膚病はたくさんあり、抗真菌薬の外用で軽快しない場合は足白癬でない可能性があります。)
ただし、足白癬でも角質増殖型や、白癬菌が髪の毛や爪に寄生している場合は、塗り薬だけでは効果が不十分で、飲み薬を飲まないと治らないこともあります。

 

再発を繰り返さないために

現在の水虫薬はよく効きますので、通常の足白癬であれば、塗り薬を毎日つければ、約 2週間程度で症状は良くなります。しかし 2週間程度の外用では白癬菌は完全に消失せず、皮膚のケラチン中に残っています。多くの患者さんはここで「治った」と思い治療を中止してしまいがちです。そして翌年の夏にまた白癬菌が増殖して症状が現れるのです。
自覚症状のない部位にも白癬菌は存在するため、指の間から足裏全体に、ケラチンが入れ代わる期間である約 1カ月以上は毎日塗り続けることが大切です。
また、爪白癬はほかの部位に白癬菌を感染させる感染源です。そのため、爪白癬を併発している場合は、爪が治るまで足白癬の治療も継続する必要があります。
 

足白癬の日常での注意

・家族に足白癬・爪白癬の患者さんがいる場合は、再感染を防ぐため、みんな治療することが最優先課題です。
・その上でスリッパや足ふきマットの共有を避けましょう。
・24時間以内に1回は足を泡立てたせっけんで優しくきれいに洗いましょう(ゴシゴシ洗いは厳禁です)
・足がなるべく蒸れないように心がけてください。
・白癬菌はアカと一緒だと 1年以上生き続けます。こまめに床掃除をするようにしましょう。